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COLUMN「がれきの山」「がれきに等しい」など、基本的には「値うちのないものやつまらないものの例え」として使われている「がれき」という言葉ですが、産業廃棄物の業界になると話は大きく変わってきます。しっかりとした定義があり、その意味も用途も法律で決められている「産業廃棄物」の種類の1つです。
では、産業廃棄物の「がれき」はどのように定められているのでしょうか。今回は産業廃棄物における「がれき(がれき類)」の定義と正しい処分方法、さらには、がれき類の排出量やがれき類のリサイクルに関する課題まで、幅広くかつ詳しくご紹介いたします。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)で定められている「がれき類」とは「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物」のことを指します。また、コンクリート破片、アスファルト破片、レンガ破片もがれき類に該当します。
出典:東京都環境局
「工作物」と聞くとわかりにくいかもしれませんが、基本的には道路や建物といった、人の手によって作られ、設置されたものを指すととらえておけば問題ありません。
建築現場、工事現場から排出されている産業廃棄物のほとんどが、この「がれき類」に該当することになります。
がれき類に似た産業廃棄物の1つとして「ガラスくず・コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く。)及び陶器くず」という種類があります。がれき類と同じく「コンクリート」が分類されているため、どうしても混同しがちです。
この2つの違いは「工作物の新築、改築又は除去によって生じているかどうか」です。つまり、建築工事、道路などの工事現場で出る産業廃棄物は「がれき類」それ以外は「コンクリートくず」に分類されます。
がれき類とコンクリートくずは種類が違うと見なされているため、混ぜて排出すると法律違反となります。しっかりと分けて保管、運搬、処分を行うことが大切です。
がれき類は、20種類ある産業廃棄物の中でも排出量と割合が多い部類に入ります。令和2年度に実施された「産業廃棄物の排出及び処理状況等(平成29年度実績)について」を参照すると、がれき類は汚泥、動物のふん尿に続く3番目に入り、その排出量は5977万トン、排出割合は15.6%にのぼります。
出典:環境省・報道発表資料
産業廃棄物全体でみると、若干の減量化が進んでいますが(0.9%の減少)、それでも、がれき類の排出量が他と比べて圧倒的に多いのは変わりありません。
これをどのように減らしていくか、またどのようにリサイクルし活用していくかは、大きな課題として残っているといえます。
ご説明したように、がれき類は大半が建築現場から出た産業廃棄物のことを指しています。このがれき類は大量に排出されることが多く、リサイクルをするのがほぼ必須となっています。
ではどのようにリサイクルされ、再び日の目を見るのでしょうか。がれきの処分法、リサイクルされた材料について、詳しくご紹介いたします。
道路舗装の基礎となる砂利を「路盤材」と呼びます。がれき類は粉砕処理を行うことで、路盤材として新たな役目を持ちます。
砕石は建築物の基礎に敷き詰められる小石のことを指します。一般的には採石場から岩盤を砕いて作られますが、再生砕石は岩盤を砕かずにがれき類から砕石が得られるとして、近年環境保全の面からも大きな注目を浴びています。
「骨材(こつざい)」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。骨材は、コンクリート、アスファルトなどの原料となる砂や砂利のことを指し、がれき類を破砕することで再生利用されます。
道路工事などで排出されたアスファルトが再び別の道路のアスファルトになるという、良いサイクルが生まれるリサイクル法です。
がれき類の処分は、他の産業廃棄物よりも難しいといわれています。その理由として、以下のようなものがあげられます。
1. 工事現場で一度に大量発生してしまい、処理が追いつかない場合がある
2. がれき類がリサイクルされ、再生路盤材などになった場合でも、他のリサイクル品と比べて体積や質量が大きいため、積み込み量や運べる量が限られてしまう
3. 工事現場の地域や時期の影響を受けやすく、安価で取引されてしまうことが多い
4. 長距離輸送に不向き
5. 需要と供給のバランスが取れない
これらの理由から、がれき類をリサイクルした後どのように活用していくかが大きな課題となっています。
さらに、安価で取引され収益が得られないことから、不法投棄も非常に増えてきています。がれき類の不法投棄も、今後の大きな課題といえるでしょう。
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